「なはユース自治大学2025」始動!― 5者連携で地域と若者をつなぐ実践型の学びの場
7月25日、経法商学科?島袋ゼミにて、「なはユース自治大学2025」のプログラムの一環として特別講話が開催されました。
「なはユース自治大学」は、那覇市自治会長会連合会?那覇市?沖縄大学の三者連携により昨年度スタートした、若者と地域自治をつなぐ実践型の学びの場です。今年度からは、新たに那覇市社会福祉協議会および沖縄県中小企業家同友会が参画し、5者連携による取り組みへと発展しました。
地域社会を支える多様な立場の方々と学生が対話を重ねながら、地域課題に向き合い、共に考え、共に行動する。そんな学びの場として、「なはユース自治大学2025」が本格始動しました。
今年度最初の講話には、地域の現場で活躍されている3名の実践者を講師としてお招きし、地域が直面する課題とその乗り越え方について語っていただきました。
【登壇者】
真栄城 孝 氏(那覇市社会福祉協議会 事務局長)
星崎 浩二 氏(沖縄県中小企業家同友会 理事?政策委員長)
西平 博人 氏(那覇市自治会長会連合会 副会長/松島自治会?古島自治会長)
地域福祉の最前線から ― 真栄城 孝 氏
真栄城氏からは、孤独死や生活困窮といった地域の喫緊の課題に対して、行政のみならず民間?地域?企業が連携して取り組む包括的なアプローチの重要性が語られました。
地域見守り隊やコミュニティソーシャルワーカーの活動、高齢者への緊急医療キット配布の事例などが紹介され、制度のはざまで支援を必要とする人々を地域全体で支える仕組みについて、現場の実践に即したお話をうかがいました。学生たちにとって、福祉を“自分ごと”として考える大きなきっかけとなりました。
自治会の役割をアップデートする ― 星崎 浩二 氏
星崎氏は、少子高齢化やライフスタイルの多様化、仕事と住まいの分離が進む現代社会において、従来型の自治会活動が住民のニーズと乖離している現状を指摘。
JR東日本やソニーといった企業の変革事例を引き合いに出しながら、「自治会もパーパス(存在意義)やミッションを再定義し、新しい価値を創出することが求められている」と語りました。
また、「若者に何をしてもらうか」ではなく、「若者にとって自治会が何を提供できるか」という視点の転換、さらには「自治会に対して若者が何ができるか」という双方向の関係づくりの重要性にも触れられました。
地道な実践から地域を支える ― 西平 博人 氏
西平氏からは、那覇市の自治会の概要や、現場での活動内容について紹介がありました。「自治会の役割とは、安全?安心?豊かさを支えること」と語り、防犯灯の管理、子ども会活動、地域清掃、見守り活動など、地域の基盤を支える具体的な取り組みが報告されました。
さらに、「1=100(ひとりの参加は百人力)」という言葉を用いて、住民一人ひとりの協力がいかに大きな力になるかを伝えていただきました。学生たちは、地域における参加の価値を改めて認識する機会となりました。
今回の講話を通して、学生たちは地域社会における多様な担い手の取り組みを学び、自らの役割について考えるきっかけを得ました。後期には、自治会に関するアンケート調査や分析活動にも取り組む予定です。
「なはユース自治大学」は今年度も、地域を支える多様な実践者との協働を通して、若者が地域課題を“自分ごと”として捉え、行動する力を育む学びの場として展開していきます。



